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当社のビジョンと考え方

当社のビジョン

SABICは、今日のグローバル市場において事業を成功に導くには、事業運営そのものに持続可能性のある施策を組み込んでいかなければならないと考えています。当社が持続可能性にまつわる環境的、社会的、経済的な施策を事業戦略の中核に据え、今後数十年の間に当社のみならず社会全体に対して影響を与えるような大きな市場の流れを、社員一人一人がしっかりと理解することをビジョンとして掲げているのは、このためです。また、このような大きな流れに対する当社の対応は、事業プロセス、事業ツール、あるいは事業の優先順位付けなど、細部にわたるものでなければならないとも考えています。

人口増加は深刻な課題です。2050年までに世界の総人口は90億人に達し、そのうち60%以上が大都市の中心部に暮らすことになると予想されています。新興の中産階級世帯の急激な台頭は、世界規模での消費の増加に繋がります。このような大きな流れはSABICの中核事業に大きな成長をもたらしますが、一方ですでに不足し始めているエネルギー、原材料、水、そして食料などの資源がさらに必要になります。これらや、その他の環境的、社会的な大きな流れは、各国政府や非政府組織にとっては喫緊の課題であり、国連のミレニアム開発目標として掲げられてもいます。当社としては、これらの課題の解決策を打ち立てていくうえで企業が果たす役割は大きく、また、一企業として、考え方や行動の仕方に持続可能性という要素を取り入れていかなければならないと信じています。一方で、一企業だけではこれらの問題を解決できないことは言うまでもありません。課題の規模はあまりに大きく、またあまりに緊急性が高いため、これまで想像もつかなかったほどの迅速な対応が要求されます。したがって、当社は一企業としてバリュー・チェーン全体にわたって利害関係者や事業パートナーと協力していかなければなりません。当社が携わる産業や、事業を展開する地域のために、持続可能性のある革新的な解決方法をご提案していかなければならないのです。

当社の持続可能性に関するビジョンと戦略においては、社会の環境的、社会的、経済的な要求を解決することは単純なことではないという認識を明確にしています。達成事項や新たな課題は、定期的に見直しをしなければなりません。このような理由から、当社では持続可能性を、基本的な事業プロセスや、多方面の利害関係者にとっての優先事項に対する対応に関して、継続的に学習し、適応し、そして改善を行っていくことを必要とする長い道のりであるとご説明しています。当社は、このような施策の効果を最大化し、優先事項を見直し、中核をなす事業戦略を必ず持続可能性というレンズを通して見ることに取り組んでいます。

考え方と取り組み

SABICの持続可能性に関する施策は、課題特定プロセスに則り、事業戦略と持続可能性戦略に矛盾を生じさせない仕組みになっています。これら二つの戦略に矛盾がないようにすることで、利害関係者と事業の成功にとって最も重要なリスクと機会に対して、経営資源を集中させることを可能にします。

当社は、新たに採択された国連の持続可能な開発目標をいかにして達成するか、また、SABICの製品やサービスが、いかにして人々の福祉を向上させ、包括的で持続的な工業化を推進し、技術革新を促進するのか、その方法を模索し始めています。

これらの取り組みや事業選択により、事業活動に優先順位をつけ、経営資源を配分し、現在、そして将来にわたって達成度を追跡できるような中枢プロセスや検証基準を、どの分野で構築する必要があるのかを決定することが可能になります。当社は、現在すでに採用している重要課題抽出手法を用いて、集中する事業領域を定期的に見直し、日々変化するリスク要因、事業機会、そして利害関係者が期待することを明確にできるような分野に注力しています。

 

SABICの持続可能性に関する報告書については、ウェブサイトをご覧ください。